歯周病は歯を支える骨や歯ぐきの病気です。家も土台が悪いとぐらぐらして、ついには倒れてしまいます。歯周病は早期発見とお口のプロによる治療が大切です。
これまでの歯周病治療は、歯磨きを上手にできるように練習し、固まった歯石を除去し、それでも治らないときは手術をして歯周ポケットを改善する方法が主流でした。この方法は患者さんに痛みに耐えていただかなければならず、また患者さんの根気がとても大切になります。
しかし、歯周病は薬で治すことができるのです。それが歯周内科です。
歯周内科治療では、患者さんのお口の中の汚れをほんの少し採取し、それを位相差顕微鏡で観察します。顕微鏡を見ることで、現在の菌の状態(種類、数、活動性)を確認することができ、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかが分かってきます。細菌の有無を確認したら、その細菌に効くお薬を3日間だけ飲んでいただきます。
位相差顕微鏡という特殊な顕微鏡を使って口の中の菌を観察し、「未感染」「感染・潜伏」「発病」を診察します。感染の目印としては歯周病を引き起こす細菌がいるかどうかです。当院で実際に観察した統計によりますと、歯周病の感染原因である細菌が全くいないという人は全体の10%ほどで、あとの90%程度の人は数の多少はありますが、この細菌がお口の中にいます。この原因菌が多い人は歯ぐきの状態が大変悪く、腫れ・出血・口臭・歯のぐらつき等の症状が出ています。
■バイ菌が全くいない人 (未感染)
この段階の方は、症状が出る事はほとんどないので、歯周内科の治療は行わず、虫歯の予防も兼ねてプロ(歯科衛生士)による歯の徹底クリーニングを行います。
■バイ菌がわずかにいる人 (感染・潜伏)
何かのきっかけでバイ菌の数が激増すると歯周病が「発病」しています。主なきっかけは加齢や病気による免疫力の低下です。爆発がおこる年齢の目安は45歳です。ちょうどガンが最も発病する年齢と一致しています。免疫力がガクンと落ちる時期なのでしょう。このような状態の患者さんには「発病」の状態に移行しないよう、定期的な菌の観察とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を行います。
■スピロヘータ類が爆発的に増えている人 (発病)
様々なバイ菌の作用で歯肉に強い炎症が起こり、歯を支える骨がどんどん溶かされています。非常に危険な状態ですので速やかに「歯周内科」の治療を行います。原因菌を観察し、1日1回3日間だけお薬を服用していただきます。途中で何度か位相顕微鏡でお薬の効き具合を確認します。お薬の作用を阻害するタバコは1週間厳禁です。バイ菌の全滅が確認できたら治療は終了です。その後再発を防止するために定期的な菌の観察とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を行います。
歯周病を引き起こすバイ菌(悪玉菌)がほぼ全滅し、病原性のない菌(善玉菌)がたくさんいる状態が理想的な状態です。その状態で安定すれば「未感染」と同じ状態になったと言えます。ただ、それで安心してはいけません。わずかに菌が残っていて再発することがあります。ごくわずかな数の悪玉菌であっても、そのまま何年も放置すると分裂して増えてしまいます。そうさせないために、定期的なプロフェッショナルクリーニングをして、このごくわずかに残った悪玉菌を退治することで、再発を防止できるのです。
位相差顕微鏡とは、無色透明な細菌もはっきりと見ることができる特殊な顕微鏡です。細菌を生きたまま、はっきりと観察できるので、お口の中にどんな種類の 細菌が住んでいるかが正確に分かります。
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